温泉成分【アルムK】によるヒト表皮角化細胞の増殖を促進作用について
温泉成分「アルムK」とは、ミョウバンのこと。
ミョウバンには、収れん作用、制汗作用、制菌・消臭作用がよく知られており、制汗スプレーなどに配合されている成分です。
マンダムでは、TRPM4を活性化することによるヒト表皮角化細胞の増殖への影響を調べたところ、ヒト表皮角化細胞の増殖を促進することが明らかになりました。
これによって何がわかるかというと、正常な角化細胞を作ることで、肌のバリア機能を改善する可能性があることが示唆されました。
また、ヒト表皮角化細胞の増殖は温度によっても影響を受けることが知られています。
そのため、
✔低温培養条件下(35℃)
✔通常の培養温度条件下(37 ℃)
を比較したところ、低温培養条件下(35℃)では、ヒト表皮角化細胞の増殖が低下することが確認できました。
その低温培養条件下(35℃)で、TRPM4活性化剤であるアルムK、TPRM活性化剤として既知の成分であるBTP2をそれぞれ添加することで、低温化で細胞増殖が低下した表皮角化細胞の増殖能力が回復することも明らかになりました。
【TRPM4】とは
陽イオンチャネルの一種。
細胞膜に存在するタンパク質で、細胞内外のイオンの透過を制御しています。
細胞はこのイオンチャネルを通じ、細胞の中と外を行き来したイオンによって電気信号が生じ、脳や体中の臓器で情報を伝える役割を担っています。
細胞はこのイオンチャネルを通じ、細胞の中と外を行き来したイオンによって電気信号が生じ、脳や体中の臓器で情報を伝える役割を担っています。
マンダムの研究では、アルムKが表皮角化細胞の表面に届くと、「TRPM4」が活性化し、チャネルが開きます。
そこに、ナトリウムイオンが細胞内に流入することで、表皮角化細胞の増殖が促進することを解明しています。
※参考文献

温泉成分として知られるアルムKが肌のバリア機能を改善することを発見
マンダムはさらに研究を続けたところ、次のような効果が明らかになりました。
✔温泉成分アルムKは、表皮角化細胞の角化を促進
✔温泉成分アルムKは、表皮角化細胞のタイトジャンクション機能を強化
✔温泉成分アルムKは、表皮角化細胞の角化を促進
ターンオーバーの過程において、角層のバリア機能を担う重要な分子のひとつであるロリクリンが関係しています、
TRPM4活性化剤であるアルムKを添加しることで、ロリクリン遺伝子が発現し、
【ロリクリン】とは
ロリクリンは、角層細胞を包む不溶性の膜状構造(辺縁体)の構成成分のひとつで、角層の構造を強固にする働きがあります。
✔温泉成分アルムKは、表皮角化細胞のタイトジャンクション機能を強化
TRPM4活性化剤でもある温泉成分アルムKが、TRPM4を活性化することによりタイトジャンクションの機能が強化されることが明らかになりました。
これによって、低温度環境下や乾燥環境下であっても、アルムKを配合したローションを使用することで、肌のバリア機能を改善し、角層に水分の保持能をもたらすことで、肌の状態は改善されると考えられます。
※参考文献

【マンダムの刺激感受性の研究】
マンダムの刺激感受性の研究については、動物実験代替法による皮膚刺激性試験結果のデータベース化を目的とした、培養細胞を構築した研究の延長戦上にあると考えられます。
また、データベース化された際には、敏感肌や乾燥肌の処方設計に役立てられるとともに、「敏感肌」とはの定義付けにもこのデータが参照されるのではないと考えられます。
※参考文献

これまで。私たちが着目してきた刺激性とは炎症を伴う刺激であり、炎症を伴わない刺激については解明されておりませんでした。
刺激感受性や温度感受性チャネルの生理機能について明らかになれば、刺激を感じやすいとはそのような症状なのかを明確にすることが出来るのではないかと考えています。

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